ホノカア・ボーイ

映画「ホノカア・ボーイ」 2009.3.14公開
http://www.honokaa-boy.jp/


岡田将生、初の主演映画。出演代表作「天然コケッコー」「太陽と海の教室」などでは、未来へ歩みだすために自分のたいせつなものと別れなければいけない男子中高生をせつなく演じてきたが、今回のキャラクターの心情描写にもその経験が反映されている。彼の無垢な雰囲気が物語の舞台とマッチした良作に仕上がっている。


話のテンポ感は「かもめ食堂」に似ているかも。その舞台を常夏のハワイに、主人公を若い男に、設定を変えたら、こんなにやわらかで甘酸っぱい映画になりました。と評してみるのは、安易かな?
若い男、と言っても、配役は難しい。主人公はなにか夢を語るわけでもなく、特に落ちこぼれというわけでもなく、心にトラウマを抱えているわけでもない。シリアスさを感じさせず、熱っぽくもなく、静かに快活なごく普通の大学生を、単独で演じられるのは、彼以外にあまり思いつかない。


音楽も素敵で、ゆったりと観ているうちに、心のコリがほぐれていく。ハワイの田舎町の広くて青い空はとても開放的。料理がおいしそう。登場人物のファッションがぴったり合う。確信的におれを癒してくれる映画に、思わず身も心も委ねてしまえる。松坂慶子の太り具合がジャストミート。