love actually / crash

「TSUTAYA100選」100円レンタルでたまたま一緒に借りた2本。群像劇という点は共通しているけど、内容は振れ幅がありすぎて、同じ日に見たことをちょっと後悔してる。




ラブ・アクチュアリー」は5年前に映画館で観た作品。ブログ「セカンド・ブリーチ」を始めたばかりの頃で、おそらく俺がレビュー(と言えるようなものではないが)を初めて書いた映画だったはず。徹底して予定調和で、登場人物はみな積極的で明るく、怒りの感情が画面を支配することはなく、すべてがハッピーエンドへ向かって駆け抜ける、クリスマスシーズンの幸福感にピッタリのクリスマス映画。クリスマスだからといってこんなに大胆で怖いもの知らずに愛を告げられるイギリス人がひたすら羨ましくなってくる。




クラッシュ [DVD]

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「クラッシュ」はアカデミー賞受賞作。この群像劇の登場人物たちの多くがナーバスで、怒りを人にぶつけるシーンの応酬だが、時折、偶然の奇跡や人物の両面性を見せるシーンで、ジーンとしたりホッとしたりできる。人種差別っていうのは信条や感情ではなく土壌の問題なのか、なんてことも考えたけど、それが厳然たる現状だとしても、たしかに完全に分かり合えることは絶対にないけど、能力や信頼や寛容さや行動がたとえ不完全でも、人間はお互いを愛しく思えるんだということ。言うべき事がありすぎて言い尽くせないけど、このスクリーンにそれが詰まっている、そういう映画だ。