経営者が語るべき「言霊」とは何か

経営者が語るべき「言霊」とは何か

経営者が語るべき「言霊」とは何か

優秀な若手社員や熟練の中堅社員は、心の深くでこう思いながら、社長の話を聞いている。「この社長、本気かな」(p.25)

「信ずる力」というものは、永年にわたる「成功体験」の積み重ねによっても、身につけていくことはできます。また、自己の内に「信念体系」を築くことによっても、身につけていくことはできます。(p.33)

すなわち「ビジョン」とは、単なる「未来に対する願望」のことではなく、まさに「未来に対する洞察」のことなのです。(p.42)

それを聞く人々の「想像力」を掻き立てる力。それが「ビジョンの力」です。(中略)経営者が「ビジョン」を語るということは、ある意味で、「曖昧さ」をマネジメントすることでもある。「理念」のように、あまりにも抽象的で曖昧な言葉は、社員の想像力を掻き立てない。逆に、「目標」のように、あまりにも具体的で明確な言葉もまた、社員のイマジネーションを刺激しない。(p.48-50)

市場の環境というものを、(これまでのように)「山登り」における「地形」のようなものとして考えるよりも、「波乗り」における「波形」のようなものとして考えた方がよい。(p.82)

会社の「公認」の戦略が決まった。そのとき、現場が、「とにかくこれで決まった、これで行こう」と思ってしまったら、危ないのです。(p.87)

例えば、「顧客第一主義」という理念。それは、ある意味で、正しい。「抽象的な理念」としては、正しい。問題は、その企業の現場に、その「理念」を体現した「具体的な物語」があるか。そのことが問われるのです。(p.104)

「計画」を語る前に、「企画」「たくらみ」を語る。(p.139)

我々ビジネスマンは、何のために頑張っているのか。我々経営者は、何のために必死の努力をしているのか。それは、決して「生き残る」ためではない。「サバイバル」するためではない。(中略)「危機」だけを語って、奮起を促すことは、ある種の「侮辱」ではないか。(p.142-143)

意思決定の3つの要素とは「決める」「説得する」「責任を取る」(p.151)

その悪戦苦闘を通じて、我々経営者は、輝かしい責任を果たすことができるからです。社員の成長を支える。人間としての成長を支える。その責任を果たすことができるからです。(p.179)