八日目の蝉

カメラワークが丁寧でいい。井上真央の初登場シーン(布団にうつぶせ)とか、強いこだわりが感じられる。カットの切り換えも自然なタイミングで、母の生きる過去と娘の生きる現在を行ったりきたりする脚本なのに、違和感がない。上映時間が長いのもその裏返…

SOMEWHERE

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞という箔がない状態で観たらどう評価しただろう?と考えてみたけれど、どう言っても名作。映画表現の理想と現実について、僕が映画に対して抱く憧憬と嫌悪について、ソフィア・コッポラ監督ならではの視点で実に的確に描ききっ…

名前のない少年、脚のない少女

事前にどんな映画なのか(舞台背景とあらすじ)を掴んでおかないとわけがわからない感じのまま物語が進んでしまう。誰が生きてて誰が死んでるのか、どのシーンが妄想でどこからが現実なのか、敢えて曖昧にしている、おれの苦手なタイプの映画。序盤は退屈だ…

アーキテクチャの生態系―情報環境はいかに設計されてきたか/濱野智史

アーキテクチャの生態系作者: 濱野智史出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2008/10/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 99人 クリック: 1,146回この商品を含むブログ (262件) を見る かなり前に買って積読状態だった本。社内の書評メールマガジンに寄稿…

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である作者: いしたにまさき出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2010/11/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 61人 クリック: 2,497回この商品を含むブログ (41件) を見る"ネットでよく見かけるあの人、な…

キック・アス

アメコミに憧れるオタクの高校生が、ヒーローの変装をして街に出て、オヤジ狩りしてるチンピラに勇気を振り絞って注意したけどあえなくボコボコにされる。それでもめげずに夜の街を巡回していたある日、リンチを目撃。やっぱりボコボコにされながらも、キザ…

ウォール・ストリート

世の中で最も重要なものはラブ&ピースなんだと、強く思った。世界を狂喜させる金とゲームの力は決して留まる所を知らないから、それに対抗すべく、常にラブ&ピースを胸に掲げて行かなければならない。それはちょうど、女が世の中を造り、男がそれを壊し進…

2010年 劇場鑑賞映画TOP10

1位:告白 【レビュー】http://d.hatena.ne.jp/choooo/20100606/1275846721 告白 【DVD特別価格版】 [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2011/01/28メディア: DVD購入: 3人 クリック: 251回この商品を含むブログ (280件) を見る 2位:パリ20区、僕たちの…

2010年に購入した音楽CD TOP10

1. wannapunch! 2. EARTH(世界の終わり) 3. DEAD WAVES 4. Acolyte 5. doo-wops & hooligans 6. CONTRA 7. ファンファーレと熱狂 8. ごめんね 9. BREAK BOY 10. Rainbow Magic 一部の作品について感想など。wannapunch!アーティスト: Shuta Hasunuma出版社…

音楽CD購入リスト2010

wannapunch! Rainbow Magic STARGAZER ORCHESTRA Welcome Stranger SWEET VOICES -Gentle Boyfriends- Anthems For The Long Distance 暁(soulkids) 5years(木村カエラ) Acolyte CONTRA Ocean Eyes ファンファーレと熱狂 BREAK BOY アネモネ(soulkids)…

海炭市叙景

すべての映像が印象的。これは凄い。進水式も年越しそばも、ソファに横たわる老婆もその指も、焦って雪にはまった車もプラネタリウムも、営業マンの説教も布団にうずくまる子供も、路面電車運転手の手捌きも品の無いスナックのホステスも、すべてが直感的に…

子どもの秘密がなくなる日 - プロフ中毒 ケータイ天国

子どもの秘密がなくなる日―プロフ中毒 ケータイ天国 (主婦の友新書)作者: 渡辺真由子出版社/メーカー: 主婦の友社発売日: 2010/11/06メディア: 新書購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (4件) を見る 「前略プロフィール」(通称「プロフ」)は、…

映画鑑賞リスト2010

2010年にスクリーンで観た映画作品リスト 赤ちゃんと僕 ☆ 海角七号 君想う、国境の南 ☆ 秘密結社鷹の爪 THE MOVIE 3 〜http://鷹の爪.jpは永遠に〜 サロゲート Dr.パルナサスの鏡 ☆☆ AVATAR 3D ☆ 人間失格 涼宮ハルヒの消失 ★ 時をかける少女(2006) ★(選…

ナンシー関の記憶スケッチアカデミー

ナンシー関の記憶スケッチアカデミー (角川文庫)作者: ナンシー関出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/03/25メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 48回この商品を含むブログ (61件) を見る消しゴム版画家・コラムニストのナンシー関さんのこと、存命中は知…

リンク格差社会 ウェブ新時代の勝ち組と負け組の条件

リンク格差社会 ~ウェブ新時代の勝ち組と負け組の条件~ (マイコミ新書)作者: 江下雅之出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ発売日: 2007/08/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (14件) を見る 2007年発行となると、内容が…

トイレット

ありふれた日常への鬱屈と、そこにストレンジャーがいる居心地の悪さが、いつの間にかクスクス笑える心地よい生活の一頁に変わっていく。絵本の童話のようにキャラはデフォルメされてるけど、荻上監督作品のこの纏まり感好きだなぁ。

スロイハイツの神様

スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/12メディア: 新書購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (143件) を見るスロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)作者: 辻村深月出版社/メーカー: 講…

シュアリー・サムデイ

期待しないで観たのがよかったか。比喩的に言えば、演技慣れした俳優たちが出るだけで学生映画はこんなに面白くなるということ。だけど小栗旬監督の素晴らしい仕事は、彼らのテンションを上げ楽しませたことだろうな。いやしかし、小西真奈美がかわゆかった……

ヒックとドラゴン 3D

随所ですげぇドキドキさせてくれる!深読みすればこの映画の優しさに惚れること間違いなし。DreamWorksの作品は初めて観たんだけど、評判通り良質だね。

カラフル

原恵一監督作「カラフル」観ましたー。中学生が抱える悩みに正面から向き合う教育的作品。鼻頭熱くなりました。SF的かなと思い込んでた俺には意外な決着でしたが、自分の人生に向き合えーってことでしょう。

東京島

「東京島」超楽しかった‼流行りの無人島モノ、けどこれは完っ全にコメディ。偶然や策略で権力者が目まぐるしく変わるサマが面白い。統治社会になった瞬間に女性が不要になるとか示唆に富んでる。木村多江の新境地!脇役の高橋一生も渋味が出てきた。そしてな…

ようこそ、アムステルダム国立美術館へ

ドキュメンタリー。ようこそ、と言っておきながら、4年に渡る撮影の間は、改装のためにずっと閉館中。来館者が作品を鑑賞する姿をもう長いこと見られないでいる職員が、健気で可哀そうだと思いました。

RED LINE

全編手描きアニメ映画「RED LINE」楽しいぃ‼ ゴールの先に目的があって走るわけじゃない。約束のないゴールに向かってただすっ飛ばす。何も考えなくていい。エンジンが震わせる重低音に身体を預けるだけ。

Crazy

世界中の戦場で心に傷を負って帰ってきたオランダ兵たちへの聞き取り。過去の行いを自身で納得させたり罪悪感を慰めたりするための、酒のように酔わせる音楽の力。

要塞

スイスの難民申請者受け入れ施設の取材。世界中からやってくる難民の運命を決める面接。危うい信頼。

悪人

映画「悪人」良い。泣く。社会的ヒエラルキーと愛の欠乏の話。セリフに「国道」が出てくるが、映画「国道20号線」を意識したのかな。キャスティングに意外性が無い事以外、特に不満が見つからない。ブッキーと深津絵里のベッドシーンの表現が結構ストレート…

非営利組織の経営

非営利組織の経営―原理と実践作者: P.F.ドラッカー,上田惇生,田代正美出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 1991/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 55回この商品を含むブログ (48件) を見る 「ミッション」の表現は、それに基づいて現実に動けるも…

ロストパラダイス・イン・トーキョー

もう今週末で公開は終わってしまいましたが、レイトショーなのにかなり観客多かった(超満員になった日もあるようです)ので、またいずれどこかで上映されると思います。会社帰りに、家とは逆方向の東中野までわざわざ観に行った甲斐がありました! 宣伝で引…

BECK

「BECK」。なんてコメントしづらい映画だー。賛辞は月並なことしか言えそうにないし、不満を言ったらネタバレになるし、批判は的外れになりそう。売れっ子の監督と俳優を集めて膨大な制約の中で作られた娯楽作。但し、俺にとってシンパシーを持てる大きな物…

会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー)作者: 岩井克人出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/09/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 156回この商品を含むブログ (43件) を見る 日本は産業資本主義からポスト産業資本主義への大転換期に差し掛か…