1.THIS IS MY SHIT / 80kids
2.andymori / andymori
3.シンシロ / サカナクション
4.Another Side of Agenda / Re-Trick
5.VEGAS96 / Starboard
※2009年に購入した音楽CD(全29点)から選出
日本でのエレクトロブームの火付け役が
DEXPISTOLSなら、昨年の80kidsはそれを爆発させた、と言ってよいかもしれないね。日本のシーンとヨーロッパのシーンがリンクしている現在の幸福な状況を作り上げた功労者とも。そのきっかけをつくった
myspaceから、2010年はどんなムーブメントが生まれるのかも楽しみ。オレとしても、ミニアルバム「Life Begins at Eighty」を聞いてから心待ちにしていたこのフルアルバムを、2009年のTOPとしたい。
これは聞いて驚く。めちゃくちゃな歌詞のようで、実はしっくりと頭に入り、その残像が、生活観と妄想が絶妙に絡み合うように、バンド
サウンドと調和している。「ハッピーエンド」「僕が白人だったら」「
ベンガルトラとウィスキー」など秀逸な歌詞の曲が多くて、特に「everything is my guitar」は最高!流れるメロディの上を滑り落ちるファンシーな歌というか早口言葉が心地良くて、病みつきになる。アルバム発表後にボーカルの急病で一時期活動を休止していたが、回復してよかった。2ndアルバムは2010年2月3日発売。はやく聴きたい。
「
エレクトロニカ」と「ロック」のミクスチャーは、
SUPERCARの「
Futurama」から現在までずっとオレの一番好きなジャンルだ。あの奇跡のバンドが解散して以降、フォローせずにいられなくなるような他のバンドを探し求めて、4年間CDを聞き漁ってきたけど、実験的かつポップにこのジャンルの音と歌を鳴らし、
未知との遭遇をオレに体験させてくれるバンドは見つからなかった。諦めて、ここ1,2年の間は他のジャンルにも積極的に触手を伸ばしてきたところだった。そこへ、
サカナクションというヘンな名前のバンドが現れた。これだ、と思った。聴き込むほどにそれは確信に変わっていく。
http://d.hatena.ne.jp/choooo/20090224/1235501409
(2009/2/24 掲載のレビューへ)
2009年はオレにとってジャズ元年となった。実はサックスの音がどうしても苦手で、避けていたジャンルだった。きっかけはいくつもあって、一つ目に、
ラウンジ系の音楽が流行って自然と聞く機会が増えたこと、二つ目に、
Jemapurというミュージシャンのデビュー・アルバムにハマってジャズに興味を持ったこと、三つ目に、仕事環境の変化から落ち着いた音を欲するようになったこと、四つ目に、音楽に表情の豊かさ(制約からの自由さ)をより求めるようになったことが挙げられると思う。Re-
Trickは若手のバンドで、演奏もスピード感があって、ジャズの渋いイメージを払拭してくれる。サックスもない。彼らのインストア・ライブを聴いて、ジャズという音楽をもっと好きになれると思った。
3ピースバンド「Starboard」は2002年結成。楽曲はエモ系。歌詞は日本語。前作のインタビューによれば、ライブより音源が大事と言い切っているらしい。この発言は俺にとって新鮮かつ親近感を抱かせるものだった。まず彼らのメロディは洋楽も邦楽もロックもそれ以外も聞き込んだ上で作られていて「音楽的アカデミクス」を感じ取れる。崩しのない日本語詞の徹底からは、クオリティ重視の姿勢を見てとれる。今作のタイトルチューンでは流行のダンスナンバーに辿り着いたが、リズムや「間」の繊細さなど、DJ由来のダンスナンバー群とは一線を画すオリジナリティがある。
(2009/6/21 掲載分より一部抜粋)